下村 一之先生(帝京大学 医学部准教授 東都大学 特任教授)

日本には世界に先駆けて超高齢者社会が到来し、最近生まれた赤ちゃんは、平均寿命が100歳を超えるという予想があるらしい。

しかし、今の日本を支えている40歳以降の働き世代は、昭和の時代に思春期を過ごし、高度経済成長も経験して、心身とも無理を積み重ねた状態で今に至っている。
したがって、今頑張って働き続けている昭和世代、平成世代の方々の残りの人生(余命)は、決して100歳までもたないということができる。
人生100年時代というのは、実際には今の中高年世代にはあてはまらないのである。

しかも、寿命を迎えるまでの期間のうち、健康でいられる時期は、現在の日本でも決して長くはなく、寿命と健康寿命の差である人生終末時期の病気の期間は9年(男性)から、12年(女性)であり、ついに寝たきりになったあとの寝たきりの期間(つまり、死ぬまでの期間)は、2週間以内が3%しかいなくて、5年以上が約50%とされている。

このことから、今の中高年世代は、9~12年の長い患い期間を経過して、そのうち5年程度の寝たきり期間を過ごしてついに死に至るというモデルの上に、放置されたまま乗っかっている、と言うこともできる。言い換えれば、最新の医療機器や医学の進歩というものは、若くて回復力のある方に主に使われているのであり、中高年、特に60歳以降のリタイア世代は、膝が痛くても、腰が痛くても、記憶力や認知の力が衰えてきたとしても、かなりの部分が、「年のせい」という理由で、正面からは医療の恩恵にあずかれていない、ともいえると思う。

そもそも日本の西洋医療は、つらい症状があっても自力で病院に来て、長い待ち時間ののちに、はじめて診察を受けることができるシステムである。つまり、病気であっても、病院に来る元気さえない場合には、西洋医療にはなかなかあずかれないことになる。その理由は、医師は病院の中にいて、患者が病院にくる仕組みだからである(一部の訪問診療は除く)。

それでは、今後、増え続ける高齢者に必要なものは何か、というと、患者さん自身が病院に来た時だけ医師に助けてもらうというのではなく、患者さん自身が、医師の指導のもと、自分の身体に対する理解を深めて、病気のときのみならず、症状のないときにも、日々自分の身体の調子を知り、不足するものを自覚して、正常な状態に近づけていける、生活上の人生哲学であると考えている。

アーユルヴェーダは、まさにその役割を担える健康哲学であり、日々の生活の中で医療を実践できる考え方であると思う。
そこで私は、自分の医師という職業を、病院内で患者を治すだけの仕事ではなく、患者が家に帰った後でも実践できる健康哲学を、患者に伝える「説明する先生」となることで、今後の社会貢献をしたいと考えている。

体調の不良の原因を、毎日の生活の過ごし方から、アーユルヴェーダの考え方を応用して説明し、病気に至る因果の流れを、その一番の上流の不適切な生活習慣という観点から改善することによって、患者さんの意識を高めて健康管理をしてもらい、医療機関にはその結果を定期的にチェックするという感覚で来てもらうという方式である。 しかし、「説明先生」の仕事自体は、現状では残念なことに診療報酬の対象になっていない。ただでさえ忙しい病院のドクターは、自分の医療機関で健診を受けた患者さんでも、説明をせずに結果を郵送するだけであることも多い。質問されても、十分な時間をかけることもできない。したがって、そのためには、医療行為の考え方を変えて、説明するのが主体の診療を進めていくことが必要だと考えている。

私の計画では、月に10人~20人程度のメンバーを募って、定期的に面談し、アーユルヴェーダの知識を応用した自然の流れに沿った生活について、十分な時間(おおむね30分以上のカウンセリング)をかけて説明を行うことで、患者さんご自身の理解を深め、つらい症状が時間とともに次第に減少していくような、会員制サロン形式のメディカルクラブがよいのではないかと考えている。

もし、この「説明先生」の数が次第に増えて、健康維持が、患者さん自身である程度行えるようになったなら、医療費の削減につながり、保健点数制度のうえでも、「説明先生」の仕事が評価される(説明することに、診療報酬の点数が付与される)ようになるのではないかと考えている。

医師 新垣 実先生 (新垣形成外科 院長、日本統合医療学会 沖縄支部長)

日本統合医療学会沖縄県支部の勉強会で、アーユルヴェーダの講義を拝聴する機会を得た。
講師はアーユルヴェーダビューティカレッジを主宰する新倉亜希先生で、インドでアーユルヴェーダを学んだ専門家である。

また沖縄においてアーユルヴェーダのサロンと有機薬草農園を展開するウチナーフリークでもある。
先生によると沖縄はアーユルヴェーダの薬草の宝庫なのだそうだ。

アーユルヴェーダといえば5千年の歴史を持つインド伝統医学である程度の知識はあるものの、その中身については、医師である私でさえ、ほとんど無知である。
アーユルヴェーダでは、人のドーシャ(体質)をカパ、ピッタ、ヴァータに分類し、それぞれの体質に合わせて治療を行うという。

処方も個々のケースで異なる個別化医療が行われるとのこと。
最近では西洋医学においても、個別化医療の重要性が議論されはじめているところであるが、5千年も前から、そのようなオーダーメイド医療がなされていたというのは、まさに温故知新の学びを得た貴重な経験であった。

医師 友利 寛文(那覇市立病院 外科)

5000年もの長きに渡り連綿と受け継いできた医学 「アーユルヴェーダ」。各伝統医学の元となったのではと言われています。

私は一般病院で外科の診療をする傍ら日本漢方を処方しています。一連の医学のため共通する部分が多いと感じています。それは中医学においては宇宙そして人は木火土金水という五行論をベースとしています。

アーユルヴェーダも5大元素(空 風 火 水 土)で宇宙が構成しているという点です。
また漢方では気血水のバランスで体調を維持していると考えていますが、アーユルヴェーダではヴァータ ピッタ カパの3つのドーシャによって体調が変化すると考えている点です。
これらは起源が同じことを表しているのかもしれません。
ここで中医学にはなくアーユルヴェーダでは特徴的な問診があります。
それは体質診断です。生まれながらに持っている体質を知ることで日常生活で気をつけなければいけないことを知ることができます。

またアーユルヴェーダは現代栄養学と異なる視点で食事療法を行っています。
私たちの寿命を制限する、食事・睡眠・意識についての指示が明確にあることで日常生活の指針となります。
この基礎講習を終えて 買い物が楽しくなりました。これまで立ち寄ることがなかった油コーナーやスパイスのコーナーを頻繁に見ています。

あなたの考えた方が変わることは、間違いありません。この講座の受講を私はお勧めします。

三木 健輔先生(横浜市立大学特任助教、事業創業大学院大学 客員教授、ダッカ国立伝統医科大学客員助教)

アーユルヴェーダビューティカレッジさんは、アーユルヴェーダという学問を多面的な方向から学ぶことを大切にしています。

アーユルヴェーダ薬草を日本国内の自社農園でつくり商品化したり、日本人のための和のアーユルヴェーダを意識した学びが可能です。

また、様々なビジネス領域の方々にアーユルヴェーダを活用できる多面的な講座があり、他のスクールにはないアーユルヴェーダの学びだけでなく、ビジネスにも特化しており、アーユルヴェーダを通じてこれからの日本に影響を与えてくれるのを楽しみにしています。

中嶋直子(世田谷区 デンタルケアナオコ歯科)

できるだけ削らない治療や、抜かない矯正治療をモットーにしております。
その為には、西洋医学の予防だけでは難しく、栄養学や東洋医学を学んでいる時に縁あって亜希先生に出会いました。 口は生きるの入り口!
この言葉にグッときて、受講する事に。
まず、面白いと思ったのは、3つのドーシャ(体質)があるという事。
それぞれに、体格や、性質、性格の違いがあり、それに合わせた治療を行う。
そうか!同じ説明、治療では結果に違いがでるのは、こういう事も関係しているんだ。と新たな気づきとなりました。
口腔状態にも、違いがでるので、今ではそういったこともふまえながら、アドバイスさせて頂いてます。

アーユルヴェーダの魅力は沢山ありますが、学びたいと思った一番の理由は亜希先生が魅力的だったから。
ご自身の体調不良を改善する為にインドまで行ってしまうバイタリティ。
本当に良いものを作る為に、沖縄に農園を作ってしまう情熱。
それを感じさせない柔らかさと気さくさ。
いつか、農園に行ける日を楽しみにしてます!!

医師 新城 憲先生(医療法人 こころ満足会 形成外科 KC 院長 )

沖縄の土地、文化、伝統、そして食で、アーユルヴェーダをさらに活かせると、確信しました。健康長寿の復活のため、今後のさらなる、ご活躍を期待しています。

医師 宮城 政剛先生(医療法人善孜会 新川クリニック院長)

体質に合わせたオーダーメイドの治療ができる印象がありとても勉強になりました。炭水化物ダイエットが台頭している現在、お米を抜いてはいけない体質の人がいると言うことにも驚きでした。以前は合氣道をしていたのですが、合氣道でも気は”氣”と書きます。気を四方八方に出すというイメージです。お米の話は興味深く聞かせてもらいました。沖縄野菜の取り方など、勉強しなおしたいと思います。